三輪家
土蔵造2階建、瓦葺、建築面積28㎡
三輪家は真壁町の中心、高上町通南側に位置する。
北に面して建つ見世蔵は、桁行3間・梁間2間、正面下屋庇付の切妻造・平入の土蔵造建築。
白漆喰壁や高い箱棟など重厚であるが、正面は1,2階とも片側に戸袋を設け、開放的な近代の商家のつくりをみせる。


 履物商として三代前に店を構えた三輪家。その大正初期に建てられた見世蔵と主屋は、国の登録文化財に指定されています。二階の戸袋には履物の鏝絵がありますが、古い写真を見ると映っていないため、もしかしたら先の大震災で罹災し、修復する際にここも改修されたのかもしれません。定かではありませんが。


 真壁地区は2010年6月、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定された。戦国時代を起源とした町割りが残り、江戸期以降の多様な伝統的建造物約100棟が並ぶ。選定を受け、観光客誘致の機運が高まった。

  そこに、東日本大震災が襲った。震度6弱の揺れで、伝統的な建造物の約9割が被災し、倒壊した建物もあった。ほとんどの瓦と土壁が崩れ落ちた。修復には一般住宅とは異なる特殊な技術が必要だ。市内で手を挙げる施工業者はいなかった。屋根はブルーシートに覆われたままになった。

(中略)

 土壁の素地とする竹は、収穫時期が限られる。また、土に混ぜるワラは、塗る位置によって異なる長さに切りそろえて準備し、土は壁に薄く塗っては乾かす工程を3~4回繰り返し、3~4か月に及ぶ根気のいる作業だ。職人の裾野を広げる育成制度の確立が不可欠だ。
 さらに、修復費用は一般住宅の5~6倍。国や市から助成されても、適用される工法は限定的。所有者が出費をためらって修復に二の足を踏まないような工夫や修復技術も求められる。

(YOMIURI ONLINE 2013年04月25日)


三輪家の改修にあたったかは不明ですが、潮田家の改修は栃木県の職人さんが担当されたそうです。栃木県も文化財が多いですもんね。左官職人がどんどん減っていますが、あの技は残してほしいと思います。鏝絵までは造れなくとも、左官ほど職人の腕がパッと見で判るものは無い気がしますし。(そもそもワタクシが左官工事にトキメクからそう言うだけなんですけど)
一年毎にどれだけ景観が改善されるかは分かりませんが、文化財の指定から外れる数は押さえられればいいなぁと思います。


三輪家
三輪家
三輪家
三輪家
三輪家



【三輪家】
茨城県桜川市真壁229
登録有形文化財:見世蔵(大正初期)、主屋(大正初期)